レビューへの心意気。

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さぁさぁ、何か話せ警備兵やなか。 「家事に睡眠、食事、仕事の他の時間は全部マンガと小説に費やしてるよ。あとは俺かな~でも時々本の存在に負ける俺…」 お前と道化師の色恋沙汰なんて興味ないわ。アイツの読むスピードはすごいらしいな。本当か? 「ファンタジー小説は大好物らしいよ。わかりやすくいうと、〇リー・ポッターの最終上下巻を3時間かからない位で読んでる。特に魔法ファンタジー小説が好きらしいね。」 レビューについてはどうだ?何か言っていたか? 「レビューは基本辛口。『どんなに作者が素晴らしい世界観を持っていても、伝わらなければ意味がない』とか。誤字脱字が頻繁にある作品は作者の愛が皆無の作品っていう何よりの証だとも言ってたなぁ」 さて、レビューの存在意義とは一体どういうことなのだろうな… 「俺が思うのはさ。一言『おもしろい』とか『つまらない最悪』とかはレビューかなぁ?レビューって『ここがこうなってておもしろいと感じた』とか具体的に書かないと後からさ、他のまだ作品を見てない人が読みたくなったり敬遠したり…つまり参考にならないと思うんだよね。それってレビューの意味なくない?」 そうさな…個人としてでも低レベルな小説を高評価すれば、構成を考え抜き、表現力を磨き、主人公たちをとおして現代に響く確固とした理念をもった優良小説を埋もれさせることになってしまうしな。 「でもさ、道化師はレビューするとき、星3からしかつけないんだよ」 それは…なんでだ?不可解な。 「道化師は世界観を表現する辛さをよく知ってるからさ。どんな酷評を受けた作品にも、作者の努力がない作品なんてない。だから、作者の心意気だけを自分に刻んでそういう作品にはレビューをつけないんだってさ。」 高レベルな作品も、低レベルな作品もまとめて愛しているわけか………矛盾しているな。 「そうかなぁ~?でも実際、道化師はライトノベルも好きだし深い主題を持った重い作品も好きだよ。それぞれ違う風味があるからおもしろいんじゃないかって笑って。ほら、道化師は和食も好きだし洋食も好きだろ?」 …だからなんだ? 「多くの人の心を深く抉る作品は、どんな分野でもやっぱり現代に通じる重い主題を書いたものなんだ。和食を食べなれた日本人が、最後の晩餐に母親の飯を食べたくなるのと一緒ってこと。そこに至るには悲しみだってつまってるけど、幸せが輝くから」
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