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「……ぐッ……」
……
まただ……、!
……
…、苦しい…。
新手の病気か??
……いやいや、それはないだろ。俺だって仮にも国だ。
そんなことを脳裏で考えていると、
ふと
「…兄さん?」
……
名前を呼ばれた。
……この声は。
「…ルート」
唯一の肉親の、弟の名を呼んだ。
「どうかしたのか?顔色が優れないようだが……」
嗚呼。何て勘の鋭いやつなんだ。
「あ、ああ……、急に呼吸がしづらくなって…」
「何!?大丈夫なのか?」
……
…………、
うん……!!いい弟を持ったな。流石俺。
「別に大丈夫だ、……心配すんな、ルート」
「だが……」
ルートはなかなか頷かない。
「この俺様が大丈夫だっつってんだ、信じろ」
「……、了解した」
あー、
やっぱ持つべき者は弟だよな……! そんなことを考えていた時。
「その症状に何か心当たりはないのか?例えば……、誰かを思い出すとモヤモヤする、とか…」
突然のルートからの質問。
……誰…か?
まぁ、色んな意味でモヤモヤするのはイヴァン、エリザ、フランシス辺りだな。
後は―……
坊っちゃん
くらいだぜ。……ん…?待てよ……、ローデリヒの事を考えると胸の辺りが人一倍痛むな……、
何でだ……?
「兄さん?兄さん!!」
「あ、わ、わりぃ」
めいいっぱい思考を巡らせて考えていた為、ルートの声に気づかなかった。
「で、心当たりは?」
「ない!」
うわー……、
ルートの眼が「嘘だ」って言ってんな。
「……、まぁ話したくないなら、追求はしないが」
「そうしてくれ」
即答した。
物分かりの良い弟を持って救われたな。
――――
――――――――
「だが兄さん。」
「あ?」
部屋から出ていこうとしたルートが、
此方を向いた。
「自分の気持ちは、尊重した方がいいぞ」
??
「何の事だ?俺は別にっ、」
バタン。
「鈍感だな。」
その一言を残し、出ていった。
…………、
……、更に謎が深まっちまったじゃねぇか!
鈍感?
俺が?
あ―――!!分かんねぇ!!
頭が混乱してきたぜ……!
――――
――――――30分後。
コンコン。
ノックの音で、ふと我にかえる。
「?誰だ?」
「私です」
坊っちゃん……?
俺の部屋に何の用があるんだ?
ドクン。
(ッ……!)
「あ、ああ、入れよ」(……また、胸が苦しく……、)
「……失礼します」
「どうしたんだ?」
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