世界の終わり

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「後三時間……か…」 ルート。 菊。 「あと少しで…」 この世界とお別れだ。 今まで、沢山迷惑も掛けたけど、本当にありがとう。 ――感謝してるよ―― 心から、 そう思うんだ。 ……あ~あ、ルートや菊と、もっと一緒にいたかったなぁ……。 もっと思い出、作りたかったなぁ……。 「フェリシアーノ?」 「!!」 ふいに、聞きなれた声に現実に引き戻される。俺は慌てて、平静を装う。 「ん、何?ルート?」 心底心配した様子で ルートが言う。 「顔色が優れないようだが…、大丈夫か?」 近くに居た菊も、心配そうにこちらを伺っている。 「フェリシアーノ君、大丈夫ですか?」 「全然、大丈夫だよ~。二人とも心配性だなぁ」 必死で自分自身に嘘をつく。 「ならいいのだが」 「ですね。」 ―これでいいんだ…、これで― あぁ、この幸福な 世界が、…後少しで 消滅して しまうなんて。 そう思うと、生理的なものが頬を伝った。…駄目だ、泣いちゃ、駄目だ…! 「!?どうしたんです!?」 しまった、菊に気付かれてしまった。 あぁ、駄目だ、もう涙が止まらない。どうせなら、笑顔で残りの時間を過ごそうと心に決めていたのに。 「ッ…、う……く、うぅう……!」 「フェリシアーノ君?」 「どうした?」 とうとう、ルートも気付いてしまった。 「……、っ、…」 俺は立っている二人に座ったまま抱きついた。 「!?!」ぎゅうう 「…、何があった?」 「特に、何も……」 抱きつかれている二人が顔を見合わせて、キョトンとしながら会話しているのが聞こえる。 お願いだから せめて今だけは 甘えさせて。 生まれ変わっても 必ず君たちと 同盟を結ぶよ。
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