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「君はいつもいつも、その話ばっかりだ…!」
「……ッ…」
「過去を振り返れっていうのかい!それとも、…あの頃に!戻れっていうのかい!?」
!!
「アル!!ちが…、」
「何が違うんだ!君は、俺を認めてくれてると、思ってた……!、俺を…、愛してくれている、…とも思ってた…、」
一度開いた口が、一向に塞がらない。情けないが、頬に暖かいものも流れはじめた。
「でも……!やっぱり君は、昔の俺を愛しているんだ…!」
(アーサーは…、)
「今の、俺じゃな…、」
「違ぇって言ってんだろが!!!!」
瞬間、何が起こったのか理解出来なかった。自身の涙が。宙を舞っていて。
手を捕まれ。
抱きしめられていた。
「俺はッ……、!今のお前を…、愛してるッ……!」
(!!)
なん、だ……って…、!?
そんなこと
いままで一度も
言ってくれなかったじゃないか。
「アー…、サー…」
「お前が一番好きだ、世界中の何より、誰よりも大切だッ!」
そんなの、俺も同じだ!否、同じに決まっている。
アーサー……、
さっきとは違う意味で、ポタポタと涙が止まらない。
「…、ッ……、 …」
すっ、とアーサーの手が近づいてきた。
叩かれる、
そう思い、目を瞑った。
が、。予想外に、その手は優しく俺の頬を伝っていた涙を、拭ってくれた。
「俺は、お前が思ってる以上に、お前の事を愛しく思ってる。」
(考えすぎて泣いてしまったりとか、あからさまに態度にでる感情とか、ワガママな所とか、)
全部、含めて。
「お前が好きだよ」
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