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『9、9、9』
ビジネス街でのこと、黒人の青年がマンホールの上で非常に楽しそうに跳ねている。
そして「9、9、9・・・・」
と、9という数字をしきりに繰り返している。
それを見た白人のビジネスマンが青年に尋ねる。
「なにをしているんだ?」
「9、9、9!・・・・」
問いを無視してただ楽しそうに跳ねている。
あまりに楽しそうなのと無視されたのが癪にさわり、黒人青年を突き飛ばして自分がマンホールの上で跳ねてみた。
マンホールを踏みつけて垂直にジャンプした瞬間、青年がマンホールのフタをずらした。そして白人ビジネスマンは穴の中に消えていった。
そして黒人青年は
「10!、10!、10!・・・」
とまた楽しそうにマンホールの上で跳ね始めた。
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