シンデレラが不遇な理由

4/20
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「さあ! 今日は何して遊ぶ?」 あたしの周りに子供達が集まっている。期待に目を輝かせた女の子達と、あたしの必殺チョップを喰らって涙目の男の子達だ。 ちなみにこの中ではあたしが一番年上の十六歳。後は十歳前後の子達ばかり。 「わたしかくれんぼがいい!」 「ええー。また?」 「俺は鬼ごっこがいい!」 「それも昨日やったじゃん」 「お腹空いたー」 あーもう! 意見が全然まとまらないじゃないのよ。 そして昼までまだ凄く時間があるわよ? お腹空くには早過ぎる子が居るわ! 「みんな一度にしゃべらないの! とりあえずかくれんぼから始めるわよ」 あたしの一声で強制的に決定。 結局みんな遊べれば何でもいいんだから文句も出ない。 「じゃあ最初はあたしが鬼ね。みんな隠れなさい!」 あたしの号令に合わせ、みんなが悲鳴を上げながら散って行く。 あらあら。 ライナったら……まだ小さいからかくれんぼの意味が分かってないわね。 ま、いいわ。 しばらく見逃してあげようっと。 あたしは少し長めに時を数えると、隠れている子供達に向けて声を張り上げる。 「さぁ行くわよ! 全員あっという間に見付けてやるんだから!」 あたしの大声に合わせて、花畑の真ん中にしゃがんだライナが体を縮める。 いや、丸見えだってば。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!