25人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
主が繋げた命
ドドドドドドドド‥‥‥
激しい銃声が鳴り響く。
まるで大地が唸っているようだった。
暫くして銃声はなりやんだが、そこには多くの人が屍があった。
晃久:『‥‥‥‥。』
銃声が止んだのを知ると、晃久は顔を上げる。
だが、目の前に倒れる仲間達の屍を見て恐怖の色を隠せなかった。
晃久:『皆‥‥‥。』
島左近隊はほぼ壊滅した。
だが、晃久は不思議でならなかった。
どうして自分だけが生き残ったのか、
しかしその答はすぐに解った。
晃久は前方に左近が立っているのに気付く。
晃久:『左近様!ご無事で!!』
左近:『‥‥‥‥。』
晃久の呼びかけに左近は返事をしない。
晃久:『左近様‥‥?』
不思議に思って左近の顔を覗き込んだ。
晃久:『‥‥‥!!』
晃久は驚いた、それもそのはず、左近は仁王立ちして死んでいるのだ。
晃久:『さ‥‥左近様‥‥‥まさか私をかばって‥‥‥。』
晃久は自分だけ生き残った理由を悟った。
晃久:『さ‥‥左近様‥‥‥。』
左近の死を嘆く晃久。
それから少しして戦は終わった。
東軍、徳川家康の勝利である。
敗北した西軍総帥石田三成は山を下りた。
最初のコメントを投稿しよう!