🍀ｸﾛｰﾊﾞｰ🍀

第一章 1st 🍀ｸﾛｰﾊﾞｰ🍀

巧の言ったとおり匠は涼太を右から抜き去る

「きれいなロールだ…でもﾄﾗﾍﾞﾘﾝｸﾞだな」

「よくわかったね？」

匠はゴール下から軽くｼｭｰﾄを放つ…ﾎﾞｰﾙはふわりとリングに吸い込まれた。

「僕の勝ちだね。」

「一回勝ったぐらいで…なぁ涼太！」

巧が公園内に入る。

「匠！ﾊﾞｧちゃんが帰って来いってさ」

「勝ち逃げかよ」

「また勝負しようよ…ごめんﾊﾞｧちゃん呼んでるみたいだ…帰るよ」

「涼太もなんか言ってやれよ。」

「………次は負けないからな！」

「俺も次も負けない！」

巧と匠が帰って行った。

「どうしたんだ涼太？」

「あいつ…上手い…」

「そうなんか？負けたん一回だけやんけ…」

「今の俺やったらあいつには勝てない…」

「そんなにか？」

「せめて達弥がいたら…」

「ふ～ん」

「智喜もﾊﾞｽｹやらねぇ？」

「やらねぇやらねぇ…」

「タッパあるし…基本ｽﾎﾟｰﾂ万能だし…向いてるって思うけどな…」

「やらねぇよ…」

「そろそろ帰るよ」

「もうか…」

「ごめんな…」

「じゃ…またな」

涼太が帰って行った…

智喜はひとりﾘﾝｸﾞの下でﾘﾝｸﾞを見上げる…

その姿を公園の外から尚斗が見ていた。

「智喜…ﾎﾝﾄはやりたいんだよな…」

尚斗は小さく呟いた。