小谷落城

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1573年(天正元年)近江の国小谷城 「殿!織田勢に包囲されました。」 城兵が言った。 「うむ。ここまでかぁ。」 無念そうに言ったのは小谷城主、浅井長政である。 「市、早ようこの子らを連れて信長殿のところへ行くのじゃ。」 「わたくしのせいでこのようなこととなったのですね。」 お市の方は泣きながら長政に問いかけた。 「そなたのせいではない。わしが謀反を起こしたからだ。」 「殿!万福丸様の支度、整いました。」 先程の城兵が言った。 「万福丸は連れて行けれないのですね。」 お市の方は悲しげに言った。
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