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静香様に案内された別室に用
・
意されていた物は本日三度目の
驚きでした。
私は静香様におことわりして
寝殿に戻り、宮様を呼び出しま
した。
ヒサシ
廂の間で扇の陰でひそひそ相
談します。
「宮様、今宵の趣向は承知致し
ましたが、右衛門佐様がおられ
るのはまずいと思うのですが」
「どうまずい?」
「先右大臣様一派であられた方
です」
「先右大臣一派とは何かな?そ
のようなもの存在したか?」
!
そうなのでした。表向きは先
右大臣様の陰謀はなかったこと
になっているのです。
「噂を耳にされた春宮が是非見
たいとおっしゃられてな。
今は春宮に尽くしている右衛
オオツヅミ
門佐は宮中一の大鼓の上手。ち
ょうど良かろうと思ったのだ。
それに、通行に見せないのも
申し訳ない」
「合点が行きました。支度して
参ります」
「よろしく頼んだぞ」
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