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まだ両親が離婚する前、私達は祖母や父の妹弟と一緒に暮らしていた。そして、よく家に来る人物が一人いた。
“タッちゃん”
本名は知らない。母や祖母達がそう呼んでいたから、私も自然とそう呼んだ。祖母が経営している飲食店の常連客で昔からの友人らしい。釣りに連れて行ってくれたり、遊んでくれたりするタッちゃんに、私達はなついていた。
タッちゃんはよく私の家にいた。時には夜遅くまでいる事もあったし、祖母が留守でもお構いなしであった。そんな事は日常茶飯事で、私自身も気にしていなかった。
「それが普通なんだ。」
と思っていた。
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