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「あら、あのままだったら、次もまたクラス単位であいつは人間を襲ってたわよ。それでもいいの?」
ぐ……。返す言葉もない。
覚悟を決めるために俺は金属バットを素振りした。
「お前、後で泣かす!!」
「出来るもんならやってごらんなさい。……来るわよ」
返し言葉もそこそこに、化け物女は飛び上がりその爪で足を引き裂こうとする。
だが、今度は爪が足を引き裂けない。受け止める動作をされることなく弾かれる。
こいつ、体の強度が上がってやがる。
俺は化け物女の邪魔にならないよう身を一歩引いて、バットを構える。
情けないとは言え、俺は足手まとい。
出来ることなら戦いたくは無いが、今の化け物女と巨大蜘蛛は互角っぽい。一応武器でサポート出来ることがあるかもしれない。
「カーン!!」
今度は化け物女が手から炎を出した。生首蜘蛛を一掃した炎か!!
炎は巨大蜘蛛の身を包み、業火と化した。
しかしそれも巨大蜘蛛の「オォォオオン!!」という雄叫びと共にかき消された!
同時に巨大蜘蛛の足によって化け物女は吹っ飛ばされる。
化け物女は俺の隣に、なんとかバランスを崩さずに着地するも、その胸には一筋の長い切り傷が出来ていた。
「ふん、やるじゃない」
「大丈夫か、勝てるのか!?」
「……微妙。あいつ、単純に堅すぎるわ。正直今の私では勝率薄いかも」
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