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ちっ、最悪のゲームになっちまったようだ。
化け物女も額に一筋の汗が流れている。
「肉、貴方がせめて九字切り程度使えたら勝率は上がってたのにね」
「九字切り? それ、確か朋樹に聞いた事あるな」
ああ、確か聞いた事ある!
確か呪文は……、ああ! 覚えているぞ!!
なるほど、いけるかもしれない!!
俺はニヤリと笑みを浮かべる。
「肉、貴方、まさか……。や、やめなさい!」
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!!」
化け物女の制止も聞かずに、俺は巨大蜘蛛に向かって、その言葉を投げつける。
……数秒間、その空間が凍りつく。
心なしか、何も起こってないように思えるのは気のせいだろうか。
突如として巨大蜘蛛は怒り出す。その足で俺を引き裂こうと……!
その前に化け物女は俺を蹴り飛ばし、俺は事なきを得る。
「法力も印も無しに九字を唱えたって、ただ相手に喧嘩売ってるだけよ、お馬鹿……!」
「そ、そんな、俺知らねぇよっ!!」
俺は抗議するが、巨大蜘蛛はどこ吹く風。標的を俺に変えてしまったようだ。
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