死の螺旋

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 はからずしも、俺は化け物女のお荷物になったようで。    巨大蜘蛛は横薙ぎに足を振るう。俺はバットでなんとか防御に成功する。  だが次の瞬間、金属バットは真っ二つになってしまい、モロに俺は巨大蜘蛛の一撃を浴びる。  どうやらわきの下から胸の真ん中まで裂かれたようだ。常人なら既に死んでいる。  言葉としては矛盾しているが、俺は既に死んでいるから死ななくて済んだようだ。恐らく金属バットで防御しなかったら俺は胴体とサヨナラしなくてはいけなかっただろう。   「全く、世話の焼ける……!」    巨大蜘蛛の第二撃が来る前に、化け物女は俺をお姫様抱っこで担ぎ上げて飛び上がった。  化け物女が無事に着地すると、俺は放り投げられる。   「肉、とりあえず逃げなさい。多分追ってくるでしょうが、相手は虫。その単純な筋肉ゆえに一撃の前に溜めが入るわ」   「逃げなさい、って! ここで俺が逃げ出したら周りに迷惑が……!」   「貴方、自分の命と他人、どっちが大事……!?」    いつになく、化け物女はイライラしていた。それだけは分かる。  ……だが、何故下僕と呼称する俺の身を、こいつはあんじるのだろうか。
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