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十月最初の週の土日に執り行われた文化祭が、盛り上がりの中、何事もなく無事に終わり、お祭りの余韻が残るまま秋が深まり始めた桜学園。
放課後、生徒会執行部の活動が終わり、美花と貴志は歩きながら、美花の家路へと向かっていた。二人はいつものように楽しそうに会話をしている。
美花は笑顔で、貴志に楽しそうに話かけていた。
美花「……でね、やっと天文部の活動があるよ!いや、いつもあるんだけど……サボってるだけで……。実はね、今度、天文台で秋の星の観測会があるんだよ!」
浮き浮きしながら美花は、瞳を輝かせて貴志に笑顔を向ける。
貴志「へぇ……泊まりがけなんだ。何か観測会って小学生みたいだね」
泊まりがけで観測会ということに、貴志が少し意外そうに声を出した。
美花「小学生じゃないよ!立派な部活動だよ!フフン、それに今年はいろいろ豪華なんだよ」
得意げに美花は鼻を鳴らして、大袈裟に貴志の顔の前で人差し指を振った。
貴志「どんな?」
イベント好きな美花さんは相変わらずワクワクしてるなぁ……。
美花「もともと運動部が、よく夏の合宿に利用してる施設なんだけどね。秋になると文化部も利用し始めるんだよ。
今回は、天文部だけじゃなくて、他の参加出来る部も参加するの。例えば、クッキング部とか~~、写真部とか~~、環境部とか~~、陸上部とか……いろいろ!」
途中で全ての部を伝えるのが面倒臭くなった美花は、笑顔でごまかした。貴志は少し驚いた表情を美花に向ける。
貴志「何?場所変えてもう一度文化祭すんの?」
美花は苦笑いを貴志に向ける。
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