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美花「違うよ~。確かにイベント好きな学校だけど……どうもすいません」
恥ずかしそうに頭をペコペコ下げながら、美花は左手を後頭部に置いた。
貴志「クス……なに謝ってんの。それにしても、めちゃくちゃだね」
貴志の呆れたような言い方に、美花は少しムッとする。
美花「めちゃくちゃとか酷いよ~!それぞれの部が、その環境で出来る事をするんだよ~。もちろん自分の部に関係ない生徒でも興味あれば他の部に参加出来るし!
クッキング部は、参加した生徒に日頃の腕前を披露するでしょ。山の上にある天文台だから、写真部は景色とか撮影出来るし~~、環境部は~~」
貴志にわかって貰おうと、今度は丁寧に全ての部の活動内容を言い出しそうな美花の気配を感じた貴志は、美花の左手を握って、
貴志「わかった美花。全てを話さなくてもいいよ」
そう言うと、大きく頷いた。美花はまだ不満そうに貴志を見つめる。
美花「ほんと~?」
貴志「うん。わかったよ。美花、合宿楽しみだね」
貴志は可愛く微笑んで美花に言った。
美花「うん!だから、天文部は興味持って参加する一年生に、星の楽しさ伝えなきゃね~!一年生に~!」
私のが年上なんだから敬いなさ~い、貴志君!
普段から貴志に勝てない美花は、ここぞとばかりに年上アピールを貴志にする。貴志はクスッと笑って、頷いた。
貴志「美花先輩に手取り足取り丁寧に教えて貰います」
美花の左手を貴志はぎゅっと握り、ニヤリと笑って美花を見つめた。美花はドキッとして焦る。
美花「て、手取り足取りって、何を教えるのよ~?」
貴志「美花先輩の想像してる通り」
美花さん、何を想像してるのかな~?動揺し過ぎだよ。
爽やかに微笑んで、貴志はわざと美花の左手薬指にキスをした。美花はもう一度ドキッとして左手を引っ込めた。
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