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美花「もうっ、からかわないでよ!」
頑張れ、私!貴志のペースに飲まれちゃダメよっ!
頬を染めた困った顔で、美花は左手を背中の後ろに隠した。
貴志「美花、やっぱり指輪似合ってるね」
貴志が嬉しそうに微笑むので、美花は思わず照れる。
美花「あ、ありがとう。やっぱり貴志のセンスがいいからだよ」
うう、恥ずかしい。そんなこと言われると照れ臭いなぁ……。
モジモジしながら美花は左手をそおっと自分の顔の前に持って来て、貴志に指輪が見えるようにする。
貴志「よかった、喜んで貰えて」
無邪気に素敵な笑顔を美花に見せた貴志に、美花のハートはキュンと、ときめいた。
きゃ~!貴志が幸せそうに笑ってる~!可愛い~♪カッコイイ~!
思わず貴志のジャケットを握り締めた美花は、
美花「貴志好きっ」
自然と言葉に出して気持ちを貴志に伝えていた。貴志は少し驚いて照れ臭そうに頷いた。
美花「やだ……思わず出ちゃった……」
自分の言ったことに照れる美花を見て、貴志は大きな溜息をついた。
貴志「はぁ……残念。もう少しで美花の家だ。まだ一緒に居たいな」
こんなに離れたくないのに、離れないといけないのが辛いなぁ……。
貴志が残念そうに喋りながら、かばんを持った左手を美花の腰に回した。貴志の身体が、急に近づいたので美花はまたドキンと心臓が高鳴った。貴志は右手も美花の腰へとさりげなく回す。
美花「や、たかっ、ここ歩道だよっ!」
私も一緒にいたいけどっ、離れたくないけどっ、これは意味が違いませんかぁ~?!
貴志に腰を抱きしめられたまま、美花は戸惑ってキョロキョロと辺りを見回す。
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