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よってびかりんはレンズとひげだけをその顔に付けたのだ。
脅威のオイルでフレームが溶けた鼻眼鏡は、びかりんの顔にいい感じにフィットした。否、フレームがないので、5本の指で器用にレンズとヒゲを押さえる。オイルがびちびちと音をたてるが気にしない。
最高の付け心地に感激のびかりんは、ショーウィンドウのガラスに映る自分を見て言った‥‥
「鼻眼鏡…お前こそ世界の女神…いや宇宙の女神だ…!」
力強く、そして幾多もの愛を含むその言葉は夕日の中へと溶けていった。
第一鼻眼鏡、完。
続く。
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