過去 Memories in the Star

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――確か、中学に入学したばかりの頃だったと思う。 もともと両親は仲が悪くて、顔を合わせる度に喧嘩をしていた。 汚い言葉で貶し合って、最後にはあたしを殴りつけて、やりようのない怒りをぶつけた。 あたしはソレを、何の抵抗もせずに受け続けた。 これを受け続けることで両親の気持ちが少しでも収まるなら、あたしはそれで充分だった。 どうせ傷なんていずれ治るんだから。 跡は、残っても。
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