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キーンコーン……
「ふがっ?」
チャイム音で目が覚め、寝ぼけ眼で周りを見渡すと、各々仲の良い者同士机を引っ付け弁当風呂敷を駄弁りながら広げている。
「あぁ、もう昼休みか。……んん? 確か二時限は体育だったよなぁ……。そうか、ハブられたのか」
そうかそうか……泣くぞ?
手に張り付いたノートを剥がし淳二を探すと、女性陣に包囲されて困った顔をしている。
うん、切り捨て御免。
リア充なんて知るか。
助けを目で求めてくるが、無視して弁当を机に出すが……何だこのアウェイ感。
そうか、一人ぼっちだからか。
「……屋上に行こ」
鞄に弁当をを放り込み、足早に教室を後にした。
暗い階段を上り、錆び付き固い扉を開けると涼しい風が吹き、眩しさに慣れると視界には…………イチャイチャパラダイスしたカッポー達が、これまたイチャイチャと弁当をあ~んしたりされたりしている。
ヤバい、立ち眩みが……。
何だこの生ぬるい空気は!
スイーツ(笑)の読みすぎだろ。病気か? 気の病なのか?
自分達の世界に入ったカッポー達を横目に、気付かれない様に素早く入り口上の貯水槽の影に身を隠す。
「何故俺が気を使わんとならんのだ。しかし……あぁああ!! 飯だ飯!」
今日のオカズはな~にかな! 風呂敷を空け御対面…………乾パン一つに沢庵二切れ。
最悪だ。マサルさん弁当以上に最悪だ。
どうすんだよ。売店に買いに行くにも、カッポー達は熱々モードに突入して、あの空気は体の毒だ。
鞄を漁り、他には何かないか探すと、底に見慣れない物体が……。
苺ジャムでした。
乾パン一つにジャム一瓶、全然割合が合わん。
沢庵ジャムでいけるかな?
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