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「何を言ってるんですか? 意味が分かり兼ねます。何方かと間違ってるんではないですか?」
関わりたくないし、腐れ縁的な物も作りたく無いので、紳士的に断る事にする。
「まま待って下さい!」
弁当等を鞄に直し、素早く貯水槽横から飛び降り離脱を試みるが、右手をツイン恵に掴まれ、流れる様な動きで手首を捻られコンクリートの床に取り押さえられた。
理不尽この上無い。
「痛い痛い!? なに、何なんですか! いきなり関節は酷いでしょ!」
首を入り口上のコンクリート壁から出した状態で関節を極められているので、下のカッポー達から見たら軽いギロチンに見えるのかもしれない。てかハズイ。キャッ!
知ったことか! 俺はツイン恵に大声で叫び解放を訴える。
「では付いてきて下さい! 逃げたらメッです! 離しますよ? 逃げたらダメですよ!」
……一々コメントがスイーツ(笑)臭いなコイツ。
ツイン恵が腕を離し、痛む肘を伸ばす。やべ、これじゃ野球出来ないわ。……まぁする気無いけど。
「痛た……。本当にお前は、何をさらば!」
「あっ!? ちょっと逃げたらダメですよ!」
知ったことか! 話す素振りをしながら鞄を掴み離脱する策士透。ヤバイな、こんなスキル持ってたんだ俺。
自分の機転に感動しながら階段を駆け降り、三階の織り曲がりに差し掛かった。
逝ける!
「おっと、ストップだよ少年。無理やりにでも連れて行くぞ?」
橘……会長?
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