恋? なにそれ食えんの?

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それは、今日の朝の事。 『……朝よ……起きて』 「あぁ、分かった」 ゲーム機の画面に映る我が妻、長門の声に目を覚ます。 一応言っとくが、俺はヲタでは無い。たまたま予約して買ったゲームに特典で付いてたから活用しているだけだ。 寝起きと共に何時通りに自分に言い聞かせ、暖かい布団から這い出す。 「時間は…………よし! 何時通りに遅刻ギリギリだ!」 学校までの時間は徒歩20分。今から支度して家を出ても、五分は余裕をみて遅刻出来る。 寝間着のスエットから制服のブレザーに着替え、鞄と携帯財布を持ち階段を降りた。 「あら? 透(トオル)まだいたの? 早く学校に行って来なさい! 朝食はパンでも持ってきなさい」 おはようマイマザー。 こちらに振り向きもしない母親(41才)の背中を見ながら台所のテーブルを見ると、一枚のティッシュに乾パンが五個ピラミッドを造っていた。 パンはパンでも、非常時には食べられるけど普段は見かける事もほとんど無い、口がパッサパサになるパンはな~んだ! どう見ても乾パンですね。ありがとうございました。 俺の記憶が確かなら、昨日もその前も、てか去年のこの時期から朝食は乾パンしか食べてない気がする。いじめと言うより、逆に乾パンが一年中買い置きがある母親に尊敬します。 「いっけな~い! 遅刻遅刻!」 どっかのスイーツ(笑)のヒロインの様に靴の踵を踏み玄関を飛び出す。 違うのは、口にくわえたのが食パンでは無くて乾パン。 走りながらだと、半分はこぼれ落ちて鳩の餌になりました。 私が平和の尊重だ!
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