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まぁ、目的は五分遅刻なので、走る事もなくだらだらと朝のハイキングコースを歩いていた。
一応近所にも同じ高校に通うヤング共が住んではいるが、真面目に生真面目一直線な部活マニアな彼等は、早朝から学校という格差社会が生んだ成績第一主義の模範である牢獄へと自ら登校している。
世間体から見たら、俺より彼等をまともな生徒として感心しているだろうが、目的が違うのだよ! フヒヒ。
乾パンを唾液と混ぜながら喉に流し込み、ゴミ出しをするおば様方に可憐に挨拶を一方的にしながら直進していると、いきなり左からタックルいや、トライヤングルタックルをくらい地面に倒された。
不意な攻撃だったので、背骨から聞いた事の無い音が聞こえ、肺がパニックを起こし二人でダイブしたバキみたいに苦しさを偽りながらぶつかってきた物体を見る。
おんにゃのこでした。これ何てエロゲー?
倒れた俺と違い、おんにゃのこはタックルをした我王の様に威風堂々と体勢を崩さずに佇んでいる。
顔は髪で良く見えないが、ウチの学校の制服である赤い持ってけセーラー服に白いソニーを履いた、いかにも『私は今時のモテモテ女子高生よ!』みたいな格好をしていらっしゃる。無意識にも、目線を絶対領域にもっていかされた。
白い肌が見え隠れ……フヒヒ!
「ふぅ~……。あんた何処見てんのよ!」
おんにゃのこは、軽く息を吐き腰に手を当て右手で俺をビシッと指差す。
なんて理不尽。
それと目線をこっちに向けろよ。何処見てんだよ。ゴミ箱か? 俺よりゴミ箱優先なのか?
しかし、女性に対して紳士でありチキンな俺は、何の躊躇もためらいも無く土下座してしまい、今に至る。
……あれ? 俺悪く無くね?
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