第一話 幕開け~始業式~

4/10
451人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
「………あれ?お前誰?オレのクラスにいたっけ?」 「俺だよ俺、冬木晶(フユキ アキラ)!」 「はぁ?お前なんて知らねーよ!」 「嘘だっ!チクショー、ヒデーよ!うわぁぁぁん」 泣きながら走り去って行った。 その様子を見て、秀樹は微笑んでいる。 「相変わらずですね、龍斗。あんまり晶をいじめちゃ駄目ですよ」 さっきのは嘘だ、オレはちゃんとあいつのことを覚えているし、知っている。 あいつはオレの友達だ、金髪で王子様みたいな顔をしており、黙っていれば、かなりカッコいいやつなのに、馬鹿で、へたれな性格が皆に知られているため、もてない。 そのせいで、趣味がギャルゲーになってしまった可哀想なやつだ。 ちなみに、あいつをからかうのが、オレの日課でもある。 「秀樹、やっとそいつ、起きたのね」 そう言いながら、また誰かがオレの席に近づいてきた。image=285934319.jpg
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!