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「遅くなってすみません、タイムカード、10分マイナスでお願いします!」
慌てて走って戻ってきた加瀬さんに、僕は首を横に振る。
「店長…」
「大丈夫、加瀬さんのタイムカードは、僕がちゃんと定刻で押しておいたから。
いつも、残業も付かないような、半端な時間でも仕事きっちりこなしてくれてるし
こんなときぐらいしか、僕はフォロー出来ないから。」
「…いつも、すみません。」
パートさんは、10分刻みで
時間給がプラスされたりマイナスされたりしていた。
今日みたいに、加瀬さんが10分遅れた場合
時間給から、10分の分の給料がマイナスされてしまう。
本当は、本社にバレるとマズいけど
僕は、10分位はいつも
こうやって、オマケをすることにしていた。
加瀬さんは、むしろ
僕が社長なら、もっと給料を上げてやりたいくらいだから。
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