柚子ハチミツな彼女

光

１個食べ終えると、加瀬さんに「ごちそうさま」を言い

僕は、小さな事務室のパソコンに向かう。

「店長、試飲の青汁
どーすんですか？」

大塚に指摘され、僕は
試飲カップを置き去りにしていたのを、思い出した。

アレは、実は…今すぐ試飲に使おうと思っていたわけじゃなく

なんとなく…試飲なんてどうだろう…？と

僕が勝手に考えているうちに、思わず行動に出てしまった結果の残骸だった。

…本社にバレたら、ちょっとマズいかもしれない。

一応、商品を無駄にしたことになるから。

僕は、デスクから
社員用の商品買い取り伝票を１枚ちぎり

今日無駄にした青汁とプラス１リットルの青汁を
その伝票に書き入れ、レジに合計金額を納めた。

要するに、自腹というやつだ。