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「店長、ちょっと…」
背後から、加瀬さんの声がして振り向くと
加瀬さんは、僕の試作ジュースのカップのひとつを手にしていた。
「この、5番と書かれているカップ…彼女にすすめてみたらどうです?」
加瀬さんは、コソっと僕に耳打ちした。
…5番のカップは
他のブレンドよりも、ベースの青汁の比率が1番少なかった。
その分、多かったのは
“柚子果汁“だ。
「飲んだんですか?これ。」
僕の問いに、加瀬さんは
「すごく美味しかったです」と返答した。
そっか…いけそうかな…
僕は、カウンターごしに
「すみません、ちょっとだけお時間いただけますか?」
と、半ば興奮気味に
大塚と彼女のいる方向に向かって叫んだ。
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