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今日は、加瀬さんが残業で6時まで残ってくれていた。
「店長、良かったですね。なんだか、とても嬉しそう。」
カップの片付けやら、ゴミ出しをしながら
加瀬さんは僕に言った。
「うん…正直かなり嬉しい。野菜が苦手そうな人だったから、あんな風に喜んで貰えるとね。」
僕の返事を横で聞いてた大塚が、すかさず口を開いた。
「店長、嬉しい理由はそれだけじゃないでしょ。
あのお客さんを、気にかけていたんじゃ…」
大塚の鋭い指摘に、思わず僕はむせてしまった。
「もしかして、図星!」
…まったく、何を言い出すやら…僕は気持ちをごまかすように、ふざけて大塚の背中を小突いた。
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