手首の傷痕

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「昨日の青汁が、なんだか飲みたくなって、朝に来ちゃいました。」 円香さんは、カウンターにやって来ると 穏やかな笑みを浮かべて、僕に言った。 さっきのアケミのことなど 円香さんには、たいしてどうということもないのだろう。 当たり前か…。 なのに、どうしてか僕は焦ってしまった。 「今日は、お代を取って下さいね。これからも通いますんで。」 「え…あ、うん。なんだか、気を使わせたみたいで、ごめん。」 僕は円香さんに謝ると すぐに、昨日の青汁…を用意した。
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