手首の傷痕

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『なんで、よりによって…相沢なの? 相沢は、俺のダチだよ?! 菜月のしたこと、最低だよ。』 菜月の浮気は、思いがけない形で僕にバレてしまった。 例の如く2週間の演習が終わり、帰宅途中の出来事だった。 僕は、実質…営内には住まず…当時の職場だった真駒内駐屯地から、近い場所に部屋を借りていた。 正確には…本宅は営内で、内緒で別宅を持つ形にしていた。 まだ年若く、三曹な身分のため…本来は規則違反だった。 近い…と言っても 地下鉄自衛隊前駅から1駅離れた場所で その時、菜月の浮気相手だった相沢も、僕の部屋から程近い場所に、やはり僕と同じように、部屋を借りて住んでいた。
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