●約束

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「借りるくらいいいだろ。」 「嫌だ。」 クラスに一人はいる、ちょっと身体の大きな傲慢な男の子。 その子が私は苦手だった。 力があって、大切なクレヨンを折られるんじゃないかと不安だったからだ。 「貸せよ。」 「嫌だ。」 そんな言い合いを続けていると、その子は私の頭を打った。 それで涙腺にスイッチが入り、教室に響くような大声で泣いた。 その声に一番にかけつけてくれたのは、トイレからちょうど帰ってきた夏輝だった。  
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