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「借りるくらいいいだろ。」
「嫌だ。」
クラスに一人はいる、ちょっと身体の大きな傲慢な男の子。
その子が私は苦手だった。
力があって、大切なクレヨンを折られるんじゃないかと不安だったからだ。
「貸せよ。」
「嫌だ。」
そんな言い合いを続けていると、その子は私の頭を打った。
それで涙腺にスイッチが入り、教室に響くような大声で泣いた。
その声に一番にかけつけてくれたのは、トイレからちょうど帰ってきた夏輝だった。
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