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(舞台は真っ暗)
ナレーション「どこにでもいるごく普通の大学生、池田一真
そんな彼が小遣い稼ぎに始めた、おはぎの丹後屋でもアルバイト。
今日がその、1日目である。」
(明るくなる。中央に池田が立っている)
村上「(左側から登場し、咳ばらいをする)」
池田「おはようございます!」
村上「おはよう」
池田「今日からよろしくお願いします」
村上「よろしく。早速新人研修をはじめるわけだが、先に言っておくぞ。おはぎは甘いがこの仕事は、甘くはない」
池田「ッはい!あの、店長ところでアルバイトの面接、もっと受けてたと思うんですけど、採用されたのって俺だけですか?」
村上「そうだ、うちは、量より質なんだ。面接で初めてお前を見た瞬間に、俺はこう思った。”こいつだ!21世紀のおはぎを背負っていくのはこいつしかいない!”」
池田「(苦笑い)」
村上「おれには確かに見えたんだよ。お前の後ろにでっかいおはぎがな!
こっち来い!」
池田「え?」
村上「声出しいこう!」
池田「声出し!?」
村上「おはぎ!」
池田「え?い、言えばいいんですか!?」
村上「おはぎ!」
池田「おはぎ!」
村上「おはぎ!」
池田「おはぎ!」
村上「おはぎ!」
池田「おはぎ!」
村上「お父さんお帰り、はい、おはぎ!」
池田「え!?…んん…
お父さんお帰り、はい、おはぎ」
村上「お父さんお帰り。ねぇねぇお母さんが倒れたよ。はい、おはぎ!」
池田「なんで母ちゃん倒れてんのにおはぎだよ!…んん…
お父さんお帰り。ねぇねぇお母さんが倒れたよ。はい、おはぎ!
…なんだコレ!」
村上「よーし、な…」
池田「いやいやいや!なに、俺の向こうにおはぎ見えちゃってんだよ!てかないけどね!俺の後ろにでっかいおはぎとかないけどね!」
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