一章【日常】

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とても落ちたテンションで5、6時間目を迎えた。 そして帰りのHR前の掃除の時間。 武石や河原を含む10人で教室を掃除していた。 「なー武石、そう落ち込むなよ…第一お前の日常って何なんだ?」 「なんか言うの恥ずかしいからやめとく」 「つまんねーな、でも狙われたって事はさ、少なからず知ってる奴がいるって事だぞ?」 「そうだった…だから狙われてるワケだった…もういいや…今日オンラインゲームしないか?気晴らしに…」 オンラインゲーム。 武石は暇ですることが無い時や、気が滅入った時にオンラインゲームをしている。 ネットの友達に相談したり、一緒に大物を狩りに行ったり。 武石は割とやり込んでいて、強者についていくよりは、弱者を引っ張って行く側だ。 「まぁたまにはいいか…そうだな10時頃かな?いつもの場所で待ってるよ」 ほとんど雑談で掃除は終わった。 掃除時間が終わると、武石のクラスの担任の凰麻(おうま)が丁度よく来た。 「ハイハーイ、戸締まりしてね」 凰麻は20代後半の女性。 肩辺りまでのセミロングの黒髪。 色気が強く印象的な瞳。 見るからに大人の女性を思わせる。 「席についてね、そーね今日は3分で終わらせますよ」 凰麻は時間に厳しい先生である。 全員席につき、諸連絡を済ませた後、少し話をした。 「最近、『日常壊し』なんていう組織があるそうですが…そんなに気にする事はありませんよ、私だったら見つけたら即叩きにかかります、それぐらいの気持ちでいれば『日常壊し』なんて怖く無いのです」 武石は思う、次はお前をターゲットにしてやる。と。 「あら、すみません長くなりました、それでは終わりましょう」 学級委員の御神が号令をかける。 皆が礼をし、声を揃えて言う。 「ありがとうございました」 武石は礼が終わった時には教室にいなかった。 時計は15時28分を指していた。
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