7人が本棚に入れています
本棚に追加
―放課後―
時刻は16時20分。
ここは『日常壊し』が活動の拠点としている多目的室。
この部屋は特徴的な造りをしていた。
前のドアから入るとすぐ左隣りに壁がある。
正面には受付するための教卓があり、奥の窓側辺りに壁の向こうへと通じるドアがある。
そしてこの多目的室には普通の教室と違いドアが二つもない。
よってこの部屋の出入りは前のドアだけとなる。
勿論、壁の向こうを見た者はいない。
この日依頼者がやってきた。
『日常壊し』の。
多目的室の出入りの為のドアが開いた音に反応して、壁のドアから受付の『宮路 凛』が出てきた。
この学校で宮路を知らぬ者はいないはずである。
茶髪の肩ぐらいまでのツインテールに黒く大きな瞳、全体的に幼い顔立ち、体型も中二の女子くらいか。
要するに『ロリ』っぽいのである。
かわいらしさから人気を誇っているわけだ。
ちなみに学年は三年。
「はいはーい依頼ですねー」
少し間の抜けたような言葉で応対する宮路。
やってきたのは男子生徒、制服の名前の刺繍の色から二年生だろう。
眼鏡をかけており、身長は180cmを超えている。
宮路が見て得た情報はこれくらいだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!