一章【日常】

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―放課後― 時刻は16時20分。 ここは『日常壊し』が活動の拠点としている多目的室。 この部屋は特徴的な造りをしていた。 前のドアから入るとすぐ左隣りに壁がある。 正面には受付するための教卓があり、奥の窓側辺りに壁の向こうへと通じるドアがある。 そしてこの多目的室には普通の教室と違いドアが二つもない。 よってこの部屋の出入りは前のドアだけとなる。 勿論、壁の向こうを見た者はいない。 この日依頼者がやってきた。 『日常壊し』の。 多目的室の出入りの為のドアが開いた音に反応して、壁のドアから受付の『宮路 凛』が出てきた。 この学校で宮路を知らぬ者はいないはずである。 茶髪の肩ぐらいまでのツインテールに黒く大きな瞳、全体的に幼い顔立ち、体型も中二の女子くらいか。 要するに『ロリ』っぽいのである。 かわいらしさから人気を誇っているわけだ。 ちなみに学年は三年。 「はいはーい依頼ですねー」 少し間の抜けたような言葉で応対する宮路。 やってきたのは男子生徒、制服の名前の刺繍の色から二年生だろう。 眼鏡をかけており、身長は180cmを超えている。 宮路が見て得た情報はこれくらいだろうか。
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