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「じゃあーまずは名前を教えてくださいなー」
「えーと『河原 仁』と言います」
河原は武石と同じクラスで親友格の友達だ。
けど彼は武石と一緒には帰らない。
帰る方向が違うのである。
だからいつも一緒には帰らない。
「それじゃあ依頼の内容を教えてくださいなー」
宮路には『ー』という語尾を伸ばす口癖があった。
「同じクラスの『武石』というヤツなんですが」
「はい武石くんですねー期限はいつ頃がいいですかー?」
期限。
それはつまりタイムリミットを指す。
『日常壊し』はこの決められた期限において計画をたて実行する。
「一週間くらいでよかったら」
期限が遅かろうが早かろうが彼らは実行してきた。
「では今日が火曜日ですのでー来週の火曜までには実行したいと思いますー。ちなみに武石くんの『日常』ってわかりますかー?」
「あいつは確か『普通の日常を過ごす』ってのが日常だったかな?そのせいであいつは普通を保とうして自分の気持ちを抑えている、だからさ…お願いします」
ようは武石が周りに合わせていると言うこと。
武石が言いたい事も言わず、相手の意見ばかりを尊重しているということ。
「了解ですー頑張ってみますねー」
宮路は笑顔で了承した。
河原は多目的室を出て、宮路は壁の向こうへと行った。
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