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「そ~いや、オレが貼った偽クエストを受けた野郎がいたらしいぜ!間違えて報酬金を少なく書いたのに物好きもいたもんだ!」ゴンが言うとゼノアはフッと小さく笑った。
「ゴン。少しは考えろ。報酬金が少ないクエストを受けるハンターなど滅多にいない。ましてモンスター討伐となると尚更だ。そんな幼稚なことは止めろ。」
ゼノアがゴンに言うとゴンが頭をかいた。
「けどよ~、オレの楽しみの一つなんだよ~。」
「くだらん。」
そんな会話を聞いていたウルスはいつの間にか二人の前に立っていた。「お前等がシャドウか!!」
後に引き返せなくなったウルスがゼノアとゴンに問い掛ける。
「なんだ~?お前?」
ゴンがウルスのそばに寄って来た。ゴンは近くで見るとますます大柄だった。それは素手で飛竜を討伐できてもおかしくないほどであった。
「どうするゼノア?コイツゼッテ~今の話聞いてたぜ!」
ウルスはゴンを睨み言った。「あぁ。ボウガンをハンターに渡すところから全部見てたぜ。お前の貼ったクエストを受けたのもオレだ。」
するとゴンは腹を抱えて大笑いした。「ブアーーーハッハッハッハッ!!お前があのクエストを受けたのか!?ガハハハハ!!聞いたかゼノア!?こりゃぁ傑作だ!!」
するとゼノアはウルスに背を向けて言った。
「ゴン、帰るぞ。そんな小僧相手にしていたらキリが無い。」
その言葉にウルスが反応した。「逃げるのか!?」
だが、ゼノアは無言でウルスを睨みつけると、ゴンと共にその場を後にした。
ウルスは去って行く二人をただ見ていることしか出来なかった。いや、正確にはゼノアに睨まれて身動きが出来なかったというべきである。
「アイツ……ヤバいな……」
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