逃げる!!

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逃げる!!

ウルスは目を丸くした。「お、女の子!?」思わず素頓狂な声を上げたウルスに少女は近寄ると、ウルスの手を握り言った。「ココ、アブナイ。ニゲル。」 少女はウルスを引っ張ると茂みの中にある小さな洞穴へと案内した。 「き、キミは一体……?」 ウルスの問い掛けに少女が答える。「ナマエ、“ヒオ”。」 ヒオという名の少女がウルスに言った。 「ナマエ、ナニ?」 ウルスは慌てて言った。 「オレ!? ウルス・ラグロス。ウルスって呼んでくれ!」 ウルスがそう言うと少女はコクッっと頷いた。 「で、キミはどうしてここにいるの?」 少女は悲しい顔をして下を向くと重そうに口を開いた。 「オトウサン、オカアサン、コロサレタ。コワイモンスター二、コロサレタ。」 (クックかな?) ウルスは少女に優しく聞いた。 「もしかしてヒオちゃんの言ってるモンスターって、イャンクックのことかい?」 しかし、ヒオは首を横にふった。 「チガウ!モットコワイクロイトリ!」 ヒオは言葉をうまく話せないのか、話が聞き取りずらかった。 (もっとこわいくろいとり…こわいくろいとり…くろいとり……!!《黒い鳥》!?) ウルスは固まった。 (《イャンガルルガ》だ!!)黒狼鳥・イャンガルルガは最近になって発見されたイャンクックの亜種である。かなり好戦的で鱗は硬く、並大抵の武器では歯が立たない。 「……そいつがこの辺に?」 ウルスが顔を真っ青にしてヒオに言った。ヒオは頷いた。 「そんな話…聞いてね~ぞ……」 確かに、受けたクエストは“イャンクック2頭の討伐”であって、イャンガルルガが出現することなど微塵も聞いていなかった。 (一旦帰ろう!)ウルスは来た道を戻ろうとした。 「ヒオも一緒に行こう?ここに居るよりマシだ!」 ウルスの言葉にヒオは頷いた。 その時だった! 「グギャオォォ!!」 二人は聞いてはいけないものを聞いてしまった! 空から、“奴”が降りて来た! ウルスはヒオの手を掴むと一目散に走り出した! だが、ヒオは怯えて動けないのか、なかなか走ってくれない。 「ギャッ!ギャッ!!」 ガルルガがすぐそこまで迫っていた。 ウルスは叫ぶ余裕すらなかった。 「くそッ!!」 ウルスは閃光玉をイャンガルルガに向かって投げ付けた! 眩い光が辺りを包む。「グオォォン!!」 イャンガルルガは混乱した。 「今だ!!」 ウルスは怯えるヒオを抱えて走った。
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