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「それで…どうして俺にあんな事を…?」
「えっ…と……」
火原のように取り乱した様子も見られない月森が、挙動不審げな火原に問う。
"あんな事"とは、キスをした事を言っているのだろう。
火原は正直に話す事にする。
「あ…あんまり月森くんが無防備に寝てて…つい…」
「…………」
「月森くんの寝顔見てるうちに、何か綺麗で可愛いなとか思ってたら…いつの間にか…キス…しちゃってて…」
「可愛い…?」
「う、うん…」
「何を言っているんですか…。俺なんかが可愛い訳がない。可愛いと言うなら火原せんぱ……」
最後まで言いかけて、月森は口を噤んだ。
自分まで何を言い出すのか。
「…月森くん、顔、赤いよ…?」
「っ……」
指摘されてさらに顔が蒸気していくのが自分でも判った。
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