困った時の○○頼み

7/8
前へ
/10ページ
次へ
うわあ……か、可愛い…。   何とも言えない甘酸っぱい気持ちが火原の胸を満たす。   ドキドキする…。   もう一度……。   触れたいな…。   火原は無意識に月森へと身を寄せる。   「ひ、火原先輩…?」   「あの…さ。もう一回、しちゃダメかな…?」   「は……?」   「だから…その……キス、を…」   その言葉に月森はさらに頬を赤く染めた。   …こんな月森くん、初めて見るや…。   可愛いなあ……。   火原は目を細めると、ゆっくりと月森に顔を寄せる。   「ちょ…、火原先輩…っ」   月森の手が火原の口元を覆って動きを制止させた。   「ここ、図書室ですよ…っ?こんな所で…」   月森の意外な言葉に火原は舞い上がった。   「キ、キスの方は嫌じゃないんだ…?」   「それは……」   「大丈夫…ここ、一番奥の席だし、放課後でほとんど誰もいないからさ…」   「火原先輩…ん…っ」   流されるまま、月森は火原の唇を受け止めたのだった――…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加