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「はい、どうぞ。」
従兄の零に返事を返し、無言で食事を取る養父母に愛良は何も云わずとキッチンに戻る。
養父母達とは離れて愛良は朝食を取る。
ガタ。
椅子から立ち上がる音に愛良は視線を遣ると養父母が朝食の食器をそのままに居間を出ていく所だった。
養父はいつも通り無言で出ていく。
いつもなら養母は養父の後を追いすぐに出て行くのだが、今日はいつもと違い養母は足を止め振り返る。
「愛良、今日の夕飯は5時にしてちょうだい。」
「…わかりました。」
養母はそう言うと愛良が答える前にすぐに養父の後を追って出て行った。
「愛良、ご馳走様。」
声に顔を向けると零が自分の食べた食器を重ねてすぐ目の前に立っていた。
「置いたままで良いのに。」
愛良はそう良いながら手に付けていたサラダ皿を調理台に置く。
「いいえ。お従兄弟様も早く行かないと遅刻しますよ。」
零の食器を受け取り、シンク内に置く。
自分の食べていた食器をそのままにし、零と一緒に居間を出た。
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