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勘違い人生 〈幼少編〉
さてと、私こと桜井杏の勘違い人生は、年を重ねる度に明らかになっていた。
桜井家の朝は仏壇にてを合わせることから始まる。
『お参りしたか!』
祖父が大声で叫ぶと
家族全員集合となる。
なんせ、杏のじいさんは家のなかで君臨するお代官様みたいな人であった。
『カーン』と仏壇の琴が響きお勤めがはじまるのだ。
幼い杏にとっては、苦痛でたまらなかった。
心のなかで
〉はよおわれ!くそじじィ。と思ってると
なぜか、決まって
かぽーんと琴のバチで殴られていた💦
『杏、なんばしよるとか!ちゃんとお参りせんか!!』
とこんなふうであった。〉うちのじいちゃん神通力あんのかなぁ~なんで分かるんかなぁ恐るべしじじィだ。
と思ってるとー。
バコ~ンと平手打ちが・・・💦
その瞬間、畳一枚向こうにふっとんでいた。
幼い杏は、何が起こったかわからず、いわゆる、ココハドコ、ワタシハダァ~レ状態ー。
よくよく考えると毎日がこんな感じだった。
慣れというものは、恐れ知らずになるもので―。
いつものように、祖父の鶴の一声で、お参りが始まった。
懲りもせず、杏は心の中で思うのである
〉この、くそじじィはよ終われ!
と―。例のごとくバチが飛んできたが―。
しかし、杏はそのバチをかわしたのであった。
ヘン‼毎日、毎日殴られてたまるか💦と思うや否や―。
バコ~ンといつものように飛んでいたのである。
そして、祖父はいった。
『杏、ワシの平手をかわそうなんざ、百億万年早いわ‼』と言い放ち
『かっ、かっ、かっ、』とまるで、黄門様のように笑いながら、さっていったのである。
杏は、思った。
〉くそじじィ、いつか、いつか、じじィの鼻の穴に、げんこつ入れちゃるけん‼鼻水取って待ってちょけ~‼
杏の、悲痛な心の叫びであった。
杏、四才の春のことであった。
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