1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「…………」
遼の下駄箱から一通の手紙が出て来た。ぼんやりと遼が眺めていると、横から雷が覗き込みそれを見つけた。
「なんだそれ?」
「差出人は書かれていないな」
『時守遼様』とだけ書かれたそれを光に透かすように遼は調べた。
「ラブレターか?」
「明らかに違うな」
遼は封を開けて慎重に逆さまにすると、中からは剃刀の刃と手紙が一枚入っていた。
「恋文にこんな物が入って来た記憶がない」
「恋文って…まあ、なんて書いてあるんだ?」
教室に向かいながら手紙を読む遼の顔には、読み進むほどに険しいシワが増えていった。そして、全文読み終えた遼は黒いオーラを纏っていた。
「雷、今日の放課後暴れるぞ」
「本気で、人数は?」
「呼ばれているのは俺だけのようだが、多分三ダース以上は来るだろう」
「俺達はいつも通りに遼の後をつけていけばいいんだね」
「今日は生徒会の仕事は抜きになるだろうしな」
「それは勘?それとも予想?」
「似たようなモノだな。まあ、たとえ入ったとしても説明すれば『違う』仕事が言われるだろうからな」
「それの『排除』?」
「さあ、なんだろうな」
教室にたどり着いた二人は席についた。
ちなみに、今の時間は昼休みだったため、教室外で食べる者が多いため残っていた者は少なかった。
最初のコメントを投稿しよう!