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「前に絡まれてから暴れていなかったから、身体が鈍っているかも」
「庭で毎日暴れているからそんな事はないだろ」
「格闘はね。ナイフとかはどうなるか分からない」
「素人相手に俺達が怪我したことがあったか?」
「ないね」
「そうだろ?」
無表情で話しをしていた遼の顔が一瞬歪んだ。それを見た雷は冷や汗をかいた。
「とりあえず、放課後になったら雷は三人と合流。俺は一足先に指定場所に行く」
「あまり、先に行かないでくれよ?一応、俺達は尾行するんだからよ」
「俺の後をつける変な輩をついて行けば大丈夫だ」
「あっ、そうか!」
「そろそろ、始まるな。雷、失敗するなよ」
「分かっているって」
元に戻った雰囲気に雷は安堵し、遼の言葉には上機嫌に答えた。
時間は進み、放課後になった。
「さて、行くとするか」
遼は鞄の中を確認すると、横に立っている雷を見た。彼は複雑そうな顔をして遼を見つめていた。
「俺達が行くまで」
「俺がやられるわけないだろ。暴れたいのなら早く来い」
「…分かった」
遼は顔を下に向けた雷の肩を軽く叩き、教室を出ていこうとした。だが、ドアを開けた途端にその身体は中に戻された。
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