返り討ち(笑)

5/10

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「お前みたいな奴でも、あいつがやられた事には変わりはないんだ! 出てこい、おまえら!」  リーダー格の男の合図と共にドアというドアから一斉に人が入って来た。遼は冷静にその人数を把握して呟いた。 「五十人か、よく集めたな」 「はん、怖じけづいたのか。もう土下座しても許さねえよ」  人数が増えたからか、男には余裕の色が伺えた。遼は呆れた表情を浮かべると、上を向いた。 「だ、そうだが?どうする?」 「な、なに言ってやがる。ここにはお前の仲間なんて「どうするもなにも、土下座なんてする気ないんだろ?」  急に聞こえた声に男達は慌てだし、遼はにやりと笑った。 「逆恨みで土下座なんて、恥ずかしいことをさせるわけいかないしな」 「とりあえず…」 『ザッ』 「『排除』する」  二階で待っていた四人は飛び降りると、遼を中心にして広がった。 「なっ、お、お前、一人で来たんじゃねえのかよ」 「来たさ、一人で。こいつらには『ストーカーを尾行しろ』と言っただけだ」  遼の言葉に頷きながら昴が後に続けた。 「そういうこと。尾行のつもりだろうけど、バレバレだからすぐに見つかった」 「素人風情が、真似をするから怪しくなるんだよ」  昴の笑い声に追いうちをかけるように荒が言うと、尾行組だった男が叫んだ。 「なにを「そろそろ始めないか。俺達は暇じゃないんだ」  遼は肩を鳴らしながら言った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加