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「さあ、存分に暴れろ」
『うおおぉぉぉ!』
遼の言葉を合図に、相手の男達は一斉に五人に向かって来た。
「ノルマは一人『十人』だ。だが、リーダー格は俺がやる」
『わかった』
四人は遼の言葉に応えると、手近な相手を倒し始めた。
「しねぇ!」
「……」
遼に向かって来た男は手にナイフを掴んでいた。遼はそれを手刀で弾くと、バランスを崩してがら空きになった背中に肘を振り下ろした。
『ガツッ』
「ぐぇっ」
男が倒れるまでに遼は次の男に狙いを合わせた。
「おらっ」
「遅いな」
、遼は正面から向かって来た手を軽く避けると、摺り抜け様に男の鳩尾に拳を減り込ませた。
「遼、危ない!」
『ガッ』
遼の背後から声が聞こえると、二人の男が遼の横に折り重なる様にして倒れた。
「雷、もう少し周りを見て技をかけろ」
「いやぁ、思った以上に飛んでっちゃったから」
「今度から気をつけろよ。巻き込まれてやられたくないからな」
「はーい」
遼と背中合わせに立った雷は軽く返事すると、向かって来た男を蹴り倒した。
『バチバチッ』
「!」
遼は近くから聞こえた音に反応する前に、遼の身体は横にステップを踏んでいた。
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