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「ちっ、避けやがったか」
「それは『スタンガン』か」
「へへっ、ただのスタンガンじゃないけどな。もちろん改造してある」
男は自慢げに持ち替えると、遼に向かって電気を出しながらかかってきた。
「おらっ」
(普通に弾くのは危険だな)
遼は避けながら対策を立てていると後ろからやって来た男に羽交い締めにされた。
「ガハハ、捕まえたぞ?」
『ブンッ』
『ドシャッ』
「ぐえっ」
「うあっ」
『グシャ』
遼は背負い投げの要領で後ろの敵を前方に投げると、前から来ていたスタンガン男(命名)ごと踏み潰した。
「(そろそろ、めんどくさいな)…おい、武器の使用を許可する。さっさと、終わらせろ!」
遼は声に答えるように、今まで一人か二人の少人数しか減らなかったのが、一気に五、六人に増えた。
「いっ」
「な、なんだ?!」
「致命傷にはしない」
荒はクナイを構えると、味方に当たらないぐらいに周りに投げていた。
「うわっ、荒!いま、掠ったぞ!」
荒のクナイが掠ったのか、昴の額からは血が流れていた。雷は近くでそれを見て笑っていた。
「それぐらい避けて後片付けをしろ」
『片付け言うな!』
荒の余計な一言に二人は声を合わせて文句を言った。二人の担当は、荒の攻撃を受けた男達を気絶させる事なので、荒からは『片付け』と言われている。
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