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「「何すんだよ!」」
「朝から騒々しいな、何かあったのか」
「いや、別に」
降りてきた三人に武が声をかけると、荒は肩を竦めた。だが、後ろの二人は黙っていなかった。
「「嘘をつくな、この怪力野郎が!!」」
「いちいち声を合わせるな。起きないのが悪いんだろ」
「聞いてくれよ、武!こいつ、いきなり首を掴んで布団から引きずり落としたんだぞ!」
赤くなった鼻を側頭部を指差しながら雷が訴えると、隣で側頭部をさすりながら昴が続いた。
「俺なんか踵落としされたんだぜ~!」
ぎゃあぎゃあ喚く二人を余所に武は台所に戻ると、遼が難しい顔をしながらみそ汁の味見をしていた。
「…武、味見してみろ」
遼は皿に汁を入れると、武に手渡した。武は少し首を傾げて味を見た。
「別にいつも通りだが?」
「それならいい。魚とか運び始めてくれ」
どこと無く変な遼を不思議に思いつつ武はオカズ類を運び出した。机に料理が並びはじめると、先程まで騒いでいた二人は我先とご飯を盛りにいった。
そして、全ての料理を並び終えると、遼が台所から出てきた。全員が席につくと同時に合図を出した。
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