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「うま~!」
「やっぱり朝は和食に限るな」
「…………」
「やはり、うまいな」
四人が思い思いに評価をしている所で、遼の箸は進みが遅かった。いや、ほとんど手が出ていない。
(食欲ないな…)
なんとかご飯をみそ汁で流し込むまではしたものの、オカズには一切箸をつけていなかった。
「遼、食わないのか?」
「ああ。…昴、俺の分の鮭食っていいぞ」
「本気で、やり~!」
昴に鮭を押し付けると、遼は自分の食器を台所に運んだ。その様子を見ていた武は箸を置くと、遼の後を追いかけた。
「遼…」
「なんだ、たけ」
『ペタ』
遼は後ろにいる武を振り返ると、いきなり額に手を当てられた。
「………」
「………」
「………」
「遼、お前は馬鹿か?」
武は遼の手を掴み、リビングに連れていくとソファーに体を押し付けた。もちろん、遼は抵抗する訳だが…。
「お、おい、武?」
「動くな」
「なにをしているんだ?」
「熱がある」
『………はあ~?!』
武の言葉に遼は固まった。そして他の三人からは驚きの叫びが出た。
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