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「遼は休むとして、お前達は学校に行けよ」
「「はぁ~!!」」
「…………」
遼が学校に連絡を入れに席を外している間、武は他三人を説得していた。いや、脅していた。
「なんで、俺達だけなんだよ!おまえは?!」
「俺は看病だ」
雷の剣幕にも武はしれっと答える。
「ズ~ル~イ!俺だって看病したいのに!」
「…………」
文句を言う二人と始終沈黙の荒に武はため息をついた。
「昴、」
「なんだよ」
「そろそろ出席が危ないんじゃないのか?」
「ぎくっ」
「雷、お前もだ。呼び出しがかかるぞ」
「げっ…」
痛い所を突かれた二人はうめき声を出し、すごすごと引き下がった。そして、残りは荒だけとなったが…
「…………」
「…………」
「…………」
「………荒」
「俺も残る」
「誰がこいつらを見張るんだ?あと、生徒会にも呼ばれているんだぞ」
「お前達全員が行けばいい。武は参謀として行く必要がある、荒も補佐としてな」
「遼…」
連絡が終わったのか、遼は廊下に面したドアを開いてけだるそうにもたれ掛かっていた。しかし、その目は厳しそうに四人を睨み付けていた。
「俺は大丈夫だ。うつろ、誰かがいる方が落ち着けない。
雷は俺の代わりに授業を受けろ、昴と荒はテストを。武は馬鹿共に目を光らせておけ。俺のいない間に問題を起こすなよ」
病人のはずなのにずばずばと命令を下すところが凄い。仕方なく、四人は名残惜しそうに家を出た。遼は四人が出て行ったの確認すると、家のセキュリティを警戒にセットしてから自室に向かった。
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