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「意外と単純なんだな」
(重いな…)
遼は背後からの声になにも反応を示さなかった。遼の視線の先にはあの女子がいたのだ。
「早く解放しろ」
「するわけねえだろ。せっかく捕まえた獲物を逃すかよ」
(ああ、めんどくさい)
遼が内心呆れているのも気付かず、男は上機嫌に話しを始めた。
「何も知らない後輩に手取り足取り教えてやるよ」
男の一人が遼の顎をつかみあげた。
「へええ、結構上玉じゃんか。男なのが残念だけど、出来るならどっちでもいいから「汚い手で触るな」
男が遼の間合いに入った瞬間、遼は攻撃を開始した。体に乗っていた男をはねのけると、前にいた男のに向かって拳を出した。
『ドカッ』
「うげっ」
何かが折れる感触がしたが、遼は気にせずに女子の所に向かった。
「このやろ!」
「邪魔だ」
『ガッゴンッ』
遼は女子の所にいた男二人に蹴りを喰らわせると、女子に自分が着ていた学ランを被せた。
「それを着て大人しくしていろ」
遼は最初にはねのけた男が向かって来るのに気がついていた。
「野郎が!」
男は遼の頭を目掛けて蹴りを入れたが、一瞬の間に遼は頭を避けて攻撃を逃れた。そして、勢いでバランスが崩れた男の後頭部に踵をめり込ませた。
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